朴念仁の戯言

弁膜症を経て

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

博愛主義 人々を救う

「7原則」基に世界で活躍戦争は正義と正義がぶつかり合うときにしばしば起こります。ある人によっては絶対にゆずれない「正しいこと」であっても、別の人にとっては、まったく正しくないと思える問題はよくあります。国や民族の間で、このような「正義をめ…

犯人への共感 原動力

「誘拐」をドラマ化 1963年に起きた「吉展ちゃん誘拐事件」を描いた本田靖春のノンフィクション「誘拐」を読んだ時、「これは絶対に自分が撮らなければならない」と思った。〝戦後〟という同じ時代を生きた一人として、犯人の小原保に強い共感を覚えたからだ…

日大アメフト問題

加害選手の記者会見でその会見ぶりが称賛されているが、私はそうは思わない。 物事の分別付かぬ小学生でもあるまいし、ある程度の社会見識とそれなりのスポーツ歴のある大学生が、監督、コーチに追い込まれたから危険行為に及んだとの言い分は、責任逃れ、責…

平常心

「シスターの心にも波風が立つ日がおありですか。いつも笑顔ですけれども」 大学生の一人の質問に私は答えました。 「ありますよ。他人の言葉や態度に傷ついたり、難しい問題にぶつかって悩んだりする時に、平常心を失うことがあります。ただ、自分の動揺で…

人間の愚かさ

連日、世間を騒がせる事件が絶えない。一見して他人事のように思いがちだが、誰も彼もがいついかなる時に被害者、加害者になるか知れたものではない。「何を戯けたことを。誰が加害者になるものか」大方の人間は、言下にそう否定するだろう。そして、内に棲…

母の日に思う

いつ頃からあるのか知らないが、社会への免疫力少ない小学生時分、母の日・父の日の訪れは私に嫌悪感を抱かせた。 クラスの連中の視線を好奇の矢のように感じ、みじめに、哀しみに沈んだ。 片親、もしくは両親のいない子どもたちの気持ちを汲み取らず、しか…

ネギと人間

韓国の民話にネギと人間にまつわるものがある。人間がネギを食べなかった頃の話。 どうかした拍子に人間が牛に見えてしまう時がある。すると人々は牛だと思って人間を殺して食べてしまう。ある時、ある男が自分の兄弟を牛と見違え、早速殺して食べてしまった…

一致を願う

柴生田稔(しぼうたみのる)という近代歌人の詠んだ歌です。 今日しみじみ語りて妻と一致する 夫婦はついに他人ということ 時間をかけて、しみじみ妻と語り合った結果、一致に到達した。その結論は、夫と妻は夫婦であるが、お互いに〝他人〟であることを忘れ…

目指すべきもの

以前アメリカに住んでいたある日本人から次のような話を聞いたことがある。在米中、彼女の子供はアメリカの小学校に通っていたが、いつも、その子は活発で指導力のある良い子だとほめられていた。しかし、その子が通っていた日本語学校では逆に、常に落ち着…

時代が生んだ暴力描く

本田靖春との共通点 後にフリージャーナリストとなった本田靖春は、都立千歳高校の同級生だった。高校1年のときにぼくが務めた生徒会長を、高校2年で本田が引き継ぐことになったが、まだこのころはそれほど親しかったわけではない。ただ、戦後の独特の空気を…

子どもに手本を

文房具類を万引きして捕まった子どもに、父親が言ったそうです。「お前は馬鹿だなあ。このぐらいのものなら、いくらでもパパが会社から持って帰ったのに」 子どもは、親や教師の言う通りにはなりませんが、親や教師のする通りになります。ですから、子どもに…

無縁

「無縁社会」という言葉で最近よくに耳にするようになった「無縁」。地縁や血縁が希薄になり、「孤独死」する人が多くなった現代日本の大きな問題として取り上げられている。「無縁死」という言い方まで出てきた。 すでに「無縁墓」や「無縁仏」という言葉も…

暴力の連鎖変える道標

ライファーズ 坂上香著 人は変わることができる。サンクチュアリ(安全な場所)と、話を聞いてくれる仲間でいれば、暴力の連鎖は回復の連鎖に変わり得る。米国の刑務所や社会復帰施設で、犯罪者の更生プログラムで行ってきた民間団体アミティ。17年間の取材…

障害者が働ける法と環境整備を

私は若いころから転職を繰り返していました。車の大型免許を持っていたことから、30歳を過ぎて運送会社に就職し、8年ほど勤めました。 もっと勤めたかったのですが、性格が災いしたのか病気になってしまい緊急入院しました。何とか落ち着いた時に、医師から…

生き残った使命 原動力

一行の背後に膨大な努力がある。山崎豊子さんの書くことへの執念はすさまじかった。原動力となっていたのは、戦争で生き残ったことに対する罪障感と使命感だ。 2010年の冬、堺市の自宅を訪ねた。山崎さんはその数年前から全身が痛みに襲われる原因不明の病に…

人は魂そのもの 心臓停止し実感

以前に心筋梗塞のためカテーテル手術を受けている最中、心臓停止状態になりました。 心臓が止まった次の瞬間、私は素晴らしい世界にいました。辺り一面、絹綿色のまばゆい世界で、すがすがしく爽快感に満ちあふれた光の世界でした。 私は即座に「俺はここか…

「ゆっくり、はっきり」で思い伝える

デジタル化による語彙力の低下、氾濫するカタカナ語や歌手・音楽グループ名などに見る意味不明の横文字使用等々、昨今の言葉と言葉づかいには気になることが多いのですが、ここでは、次の二つを取り上げてみます。 ■早口症候群(?)の蔓延時代のテンポがぐ…