朴念仁の戯言

弁膜症を経て

味わい深い人生の始まり

あれから10年。

心音は一時も途切れることなく、命をつないでくれた。

毎晩床に就いて胸に手を当て、心臓、頭、眼、耳、鼻、口、首、肩、腕、五臓六腑、金玉、肛門、脚の順にさすり上げ、五感を感じられる我が身体に感謝を述べる。

今日一日の命をありがとうございます。

 

地球を、日本を、この地を、そして両親を選び、この身体に魂を宿した。

これまで、そして今も私の人生は計画通り。

年老いて様々な苦しみが訪れることだろう。

生老病死愛別離苦

老後に一片の不安もないとは言えないが、一日一日やれることをやり、身内とのやりとりに、取り巻く環境に、自然の美しさに思わず笑みがこぼれる二度と同じ日とてない日常、そんな日々に只々感謝して生きることができれば、いずれ訪れる苦しみさえも光となるだろう。

味わい深い人生が幕を開ける。

10歳の誕生日、4月4日に記す。