朴念仁の戯言

弁膜症を経て

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

稀勢、執念の変化

検証 春場所逆転V 26日終了の大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)で、新横綱稀勢の里の劇的な逆転優勝がファンの感動を呼んだ。13日目に左上腕部を負傷しながら強行出場し、千秋楽に本割、決定戦で奇跡の2連勝。背景などを検証した。休場危機に陥った13…

「私の肝臓をあげます」

いのちのコンパス 生体移植という選択余命3カ月の父助けたい 付き合って7年の彼は心配しないかな。そんなことを考える前に、川野祥子さん(28)の口は動いていた。「私の肝臓を、父にあげます」 2006年4月、父の弘さん(55)に付き添って鹿児島県内の病院を…

見えない力

「これで終わったな」14日目の鶴竜戦で力なく土俵を割った姿にそう思った。大方の国民もそう思っただろう。稀勢の里の優勝は消えたと。13日目の日馬富士戦で手痛い一敗を喫した上に致命的な怪我を被(こうむ)った。痛みでその場を動くこともできずに顔…

偏見に立ち向かう

植物の受精の講義をしたら、少女たちの前で性の話をしたようにすり替えられ、博物館長のいすを失ったのはフランスの昆虫学者ファーブルだ。1823年貧しい農家に生まれ、独学で教員免許を取得、教育界で力を付けてきたのを快く思わない師範学校出身者らが仕組…

社会性が生みだした長寿

霊長類学者 山極 寿一(やまぎわ じゅいち)さんが語る 霊長類で「老い」がはっきり見て取れるのは、人間だけですから。「おばあちゃん仮説」というのがあってね。雌が「自分の繁殖をやめて娘、息子、若い世代の繁殖を手伝って、孫世代の生存価を高める」と…

おとうちゃん大好き

一昨日、歯科医院の待合室で中央紙を読んでいたら、1面の編集日記に心が和んだ。私の子どもだったらどうだろう。さてさて、その当時の気持ちは今も…。 おとうちゃん大好き おとうちゃんはカッコイイなぁぼく おとうちゃんににてるよね大きくなるともっとにて…

shape of my Heart

He deals the cards as a meditationAnd those he plays never suspectHe doesn't play for the money he winsHe doesn't play for the respect奴は心沈めてカードを切る無心に金のためじゃない称賛がほしくてやるんじゃない He deals the cards to find the…

微光のなかの宇宙(中公文庫)

作家の司馬遼太郎さんは小学校低学年のころ、化け物の絵を描きたい衝動に駆られ、実際に空想して描いたという。上級生のときには図画に最低の点を付ける先生に紙風船を模写するように言われたのがいやで、キノコのネズミタケを描いて反抗したこともある。な…

古墳思えば病は小さい

政治学者 草野 厚さん 日本の政治や外交に鋭い論陣を張る政治学者の草野厚さん(69)。慶応大教授を退職後、これまでの研究分野を離れ、古墳のフィールドワークをする毎日だ。全国を飛び回る姿からは、四半世紀近くにわたってC型肝炎ウイルスとの闘い、肝臓…

熊をめぐる物語

随想 昨年の夏、猪苗代町のある肉屋で熊肉が売られているのを見つけた。珍しいから店の主人にどこ産の肉かを尋ねてみた。「すぐ近くの吾妻山で春に獲れたのよ。親子連れだったそうだが、子熊の方は福島市の居酒屋の主(あるじ)が引き取っていったと聞いたよ…

修羅を抜け、命問う

次男の自死、妻の破綻…宿命受け止めた 作家 柳田邦男さん 悲しみは真の人生の始まり。肉体は滅んでも魂は生き続ける―。作家の柳田邦男さん(80)は事故や災害、闘病の現場に立ち、命の意味を問い掛けてきた。年齢とともに円熟味を増すその死生観は、57歳で経…

乾為天(象伝)

象に曰く、天行(てんこう)は健なり。君子もって自強(じきょう)して息(や)まず。潜竜用うるなかれとは、陽にして下に在ればなり。見竜田に在りとは、徳の施(ほどこ)し普(あまね)きなり。終日乾乾すとは、道を反復するなり。あるいは躍りて淵に在り…

乾為天(彖伝)

彖(たん)に曰く、大いなるかな乾元(けんげん)、万物資(と)りて始(はじ)む。すなわち天を統(す)ぶ。雲行き雨施し、品物(ひんぶつ)形を流(し)く。大いに終始を明らかにし、六位(りくい)時(とき)に成る。時に六竜(りくりゅう)に乗り、もっ…

☰☰ 乾為天 けんいてん(彖辞・象辞)

乾(けん)は、元(おお)に亨(とお)りて貞(ただし)きに利(よ)ろし。初九(しょきゅう)。潜竜(せんりゅう)なり。用うるなかれ。九二(きゅうじ)。見竜(けんりゅう)田(でん)に在り。大人(たいじん)を見るに利ろし。九三(きゅうさん)。君子…

夢見ているよう

3.11あの日から はだしで家を飛び出して車に家族を押し込んだ。痛えなんて感じねえ。目の前の車乗んのも、はっていくのが精いっぱい。家族を山に避難させて港に走った。津波から船を守るには沖に出すしかねえからね。海水が渦巻いて引いていた。ただごとでね…

日常の祈り

もう一月前以上に終えた行事だが、古人の祈りの日常が伝わる内容なので掲載した。物が豊かな、便利な世の中に生きる我々だが、果たして何ものにも頼れなくなった時、古人同様、最後の最後は祈ることに尽きるだろう。祈りには力がある、そう思う。 『日本人の…

天道(てんどう)は親(しん)無(な)し。常に善人に与(くみ)す。

天道無親 常与善人(老子 道徳経第79章) 天の道、つまり神のみ心というものには、誰々に特別親しくする、というような個人的な心はなく、定められた法則の通りに働くのだから、天の道に叶った、大宇宙の法則に叶った人々に大きな力が働きかける。天の道に叶…

「無常」から明るい旋律

宗教学者 山折 哲雄やまおり てつお 金融恐慌、通貨危機、100年に一度の大暴風…。いささか大げさな言葉が、ちまたにあふれ出している。ほとんど異口同音の波に乗って、それが聞こえてくる。けれども、どうだろう。その「金融恐慌」という名の妖怪の本質は、…

ほめれば成犬も変化 名前でしからない

家族としての犬のしつけ3 今から20年ほど前、うちの動物病院にはステファンという雑種犬がいた。子犬時代に雨に打たれて倒れているところを、小学生に抱えられてやってきた。新しい家族が見つからず、当院で生活するようになった。われ関せずの性格で、なん…

餌やりに矛盾 なぜハクチョウ

「みんなのひろば」にも、ハクチョウへの餌やりが禁止され「かわいそう」「人間は身勝手だ」と嘆く意見が掲載されています。わたしの周りでも同じくハクチョウを思いやる意見を聞くことがありましたが、私は逆にその反応に首をかしげてしまいます。まず、な…

時代性より世代性重視

芥川賞受賞者に聞く 契約社員としてつつましい生活を送る29歳の独身女性を描いた津村記久子さん(30)の小説「ポトスライムの舟」が芥川賞に決まった。働きながら執筆を続ける津村さんは「大きな望みやお金が無くても楽しく生きていけると訴えたかった」と語…

さまざまな正月

日曜論壇 毎年お寺のお正月は、檀家(だんか)さんからの年始受けやこちらからの年始廻りで慌ただしい。こちらからお邪魔するのはお寺独特の用語で「配札(はいふだ)」というのだが、要するに元朝に祈祷(きとう)した御札(おふだ)を配り歩き、各家の一年…