朴念仁の戯言

弁膜症を経て

自然

世界は植物で創造

世の中の中心は人間であると、人は時折思い違いをする。だが、言うまでもなく、今の世は植物が中心となって創造してきたものだ。全ての生き物は、そのおかげで生きていられる。植物は無機物や光から有機物を作ることができ、その産物は多くの生物を養ってい…

葉で考え 根で記憶

私たち人間は動物、動く物である。動かなくなると心身ともに弱り、健全に生きられない。対して植物は植える物。鉢植えをあちこちに移動したりすると、すぐに調子を崩すが、しっかり植えると健康に生きる。人間は頭で考え、記憶する。だが、頭だけだと考えや…

「家庭」は家と庭

以前、私は都立高校で家庭科の講師をしていたことがある。今の子どもは内(家)にこもりがちで、外の環境、すなわち自然や生き物に肌身で触れる機会が少な過ぎる。学校の家庭科でも裁縫や料理など内でやることばかりが授業になっている。なぜ家庭なのに庭に…

自然環境の保全 最優先に考えて

ラジオで予算委員会の中継放送を聞いていた。東京五輪のカヌー競技場が葛西臨海公園に建設されることを知った。ここは東京随一の野鳥の宝庫で、多様な生態系が形成されている。質疑を聞きながら、沖縄の基地問題での辺野古埋め立てが思い浮かんだ。埋め立て…

ハチに教わったこと

庭の刈り込みをしていて、知らずにアシナガバチの巣を切り落としてしまったことがある。そのときは、怒ったアシナガバチに顔を3カ所も刺され卒倒しそうになった。 ハチの毒は、ショック症状を起こしたり死に至ることもあるので、注意は必要だ。だが、芋虫を…

本当に汚いものは何?

オーガニックガーデンのすすめ 16 人間は自然の恵みで生かされている。では、人間が自然にお返しできることって、何だろう。 それに答えてくれるのが、写真家で「糞土(ふんど)研究会」の代表、伊沢正名さん。伊沢さんは「人間ができるお返しは、うんこをす…

熊をめぐる物語

随想 昨年の夏、猪苗代町のある肉屋で熊肉が売られているのを見つけた。珍しいから店の主人にどこ産の肉かを尋ねてみた。「すぐ近くの吾妻山で春に獲れたのよ。親子連れだったそうだが、子熊の方は福島市の居酒屋の主(あるじ)が引き取っていったと聞いたよ…

餌やりに矛盾 なぜハクチョウ

「みんなのひろば」にも、ハクチョウへの餌やりが禁止され「かわいそう」「人間は身勝手だ」と嘆く意見が掲載されています。わたしの周りでも同じくハクチョウを思いやる意見を聞くことがありましたが、私は逆にその反応に首をかしげてしまいます。まず、な…

冬を楽しむ

随想 これから厳しい冬を迎えますが、会津の冬といえば、真っ先に雪が浮かんできます。私たち会津に住む多くの人々にとって雪は、一般的にマイナスのイメージしかありません。しかし、視点を少し変えると、雪どけ水は落葉の分解を助け、岩石層を通してミネラ…

会津の持つ精神的風土

随想 やきものと会津の風土を考えた時、まず会津における国宝の文化財をみると、湯川村・勝常寺の薬師堂に安置されている薬師如来座像、日光菩薩立像、月光菩薩立像の三体と会津美里町の龍興寺(旧会津高田町)の「一字蓮台法華経開結共」があります。このす…

大切な庭の仲間

『オーガニックガーデンのすすめ』6 梅雨のひと雨ごとに、ぐいぐいと成長する草木。目を凝らせばこの時期、葉の裏に、枝の陰に、いろいろな虫がやって来る。虫を嫌う人は多いが、虫を知ることはオーガニックガーデンづくりの第一歩。人間以外の生き物の声が…