朴念仁の戯言

弁膜症を経て

心のありかた

昨日、秋葉原殺傷事件の加藤智大の死刑が執行された。

「これほどの犯罪に極刑もやむを得ないと改めて示すことが、事件の防止につながる」

法務省の幹部はそのように話して死刑制度の正当性と犯罪抑止効果があるとの見方を示した。

 

東京五輪パラリンピック組織委員会の元理事の、高橋治之が受託収賄容疑で家宅捜索された。

大会スポンサーの紳士服AOKIとコンサルタント契約を結び、計4,500万円を受け取っていたという。

高橋は世界的ブラック企業電通の元専務。

組織委員会にはスポンサーを選定し、ライセンス商品を審査するマーケティング局があり、その3割超が電通出身者で構成され、「実質電通マーケティング)」と囁かれていた。

オリンピック招致の際は、招致委員会が海外のコンサルタント会社へ不正に2億円以上支払ったという疑惑があり、これに対し当時オリンピック委員会の会長の竹田恒和は、「国際的な情報を広く持つ電通から、契約に値する会社だと助言があった」と2016年5月の衆院文部科学委員会で述べ、電通との深い関係を自ら臭わせた。

 

霊感商法などで社会問題になった旧統一教会による政界への便宜供与。

安倍晋三襲撃事件で焦点が当てられ、自民党の茂木幹事長は「(同会とは)党としては一切関係ない。各議員には厳正、慎重な対応をするよう注意を促していく」と実態解明に否定的な立場を示した。

 

以上、今朝の新聞に載っていたものだ。

平和の、世界最大のスポーツの祭典と言われるオリンピック。

領土、人民を統治する政治、まつりごと。

どれもが利権絡みで我よし、建前ばかりの似非ごと。

現社会を、大人を、未来を担う子どもは見抜いている。

これを反面教師とするか、真似て営々と繰り返すか。

 

現社会が続く限り、無差別殺人はなくならない。

貧困、劣悪な家庭環境が犯罪の温床ともなり、人とのつながりや生きる希望が断たれ、絶望し、孤立に追いやられた時、自暴自棄に、社会に憎悪の念が湧き起こる。

戦争で常人が人殺しに変貌したように、環境によって誰もが殺人者となる。

家庭は社会の縮図。

温かい家庭に育ち、温かい人との出会いが犯罪を踏み留める。

社会が真善美を目指さない限り、無差別殺人はなくならない。

 

以下は、久々に心に響いた投稿文。

こうあれば、心に悪は芽生えない。

 

私が20歳の頃の話です。

初めてある会社に就職して社会人として生活を始めたときのことです。

しばらくして人間関係の難しさから会社を辞めたいと両親に話した時、父は一枚の紙に三つの句を書いて私に見せました。

一の句は「手と頼む垣根を倒すふくべかな」。

二の句は「折りに来る手を切り返すすすきかな」。

三の句は「手折り(たおり)来る袖に匂うや梅の花

この三つの句のうち、どれが一番良いかと父は尋ねました。

三の句が一番良いと私が答えると、父は「そうだ」と言いました。

一の句は恩を仇(あだ)で返すということ、二の句はやられたらやり返すということ、三の句は仇を恩で返すということ。

仇を恩で返すのはなかなか難しいと思います。

人を憎み恨んで生きるより、許せる人になってほしいと父は言いました。

常に命に対して感謝の気持ちを持って生きてほしい、感謝する心に悪は芽生えないと、しみじみ諭してくれました。

そんな父の言葉は、86歳になった今でも脳裏に焼き付いています。

矢吹町の今野フミ子さん(86歳)(令和4年7月21日地元紙掲載)