朴念仁の戯言

弁膜症を経て

家族

母の日に なんにもしない それがうち

「母の日に なんにもしない それがうち」-。兵庫県篠山市立岡野小学校4年生の青木舞佳さん(10)の詠んだ俳句が、「第12回佛教大学小学生俳句大賞」の高学年の部で選考委員特別賞に選ばれた。応募総数2万句を超える中での受賞。「嘘はつけないし、普通に思…

身を賭し子を守った父

今年も北海道は、厳しい冬のようです。この時期になると、6年前に発生した痛ましい事故が思い出されます。 猛吹雪の日、父が車で小学3年の娘を児童センターに迎えに行きましたが、帰りに車が雪に突っ込んでしまいました。ガソリンが少なかったことから、近く…

取り留めもなく

昨日、母に宅配物がありました。宅配物の段ボール箱には「落花生」の大きな文字が書かれてありました。箱の中には落花生の菓子がたくさん入っていました。 母は、このことを早く私に知らせたかったのです。私が仕事から帰って家に入るとすぐに、母は段ボール…

頑固な決意

電車のシートに掛けて、辺りを見回すと、なんと多くの人が携帯電話やスマホの画面をじっと見ていることでしょう。先日は私の隣に掛けていた4人家族全員がスマホを操作し、それぞれの目の前に表れるものに没頭していました。30代後半のパパとママ、そして子ど…

宝物

アメリカにいた時のことです。ある高等学校で生徒たちに自分の宝物を持って来させ、皆の前で、なぜ、それが宝物なのかを発表させてことがありました。 生徒たちは思い思いのものを持ち寄り、説明します。誇らしげに、「これは高価な宝石なんだ」「外国からの…

まわり道をしても…

幼い頃の私たちに、母はよく諺を使って教えてくれました。その一つに、「急がばまわれ」というのもありました。急いでいるのなら最短距離を行けばいいのになどと、学校に通い始めた頃の私はそう考えたりしていました。 太平洋戦争がはじまり、私は聖心女子専…

母の記憶

「あれまあ、しろ、こんな所につながれて」洗濯物を干しに裏庭に出た母が、日ざしを避けて居場所を木陰に移された犬に話しかけている。近年、痴呆症のすすんだ母は、庭に出ると大きな声で犬に語りかけるようになった。 母が家内に寺の坊守の役目を譲ってから…

父親は自らの生き方で語る

6月の第三日曜日は「父の日」でした。言うまでもなく、この日は子から父親に感謝を表す日ですが、今日は、反対に父親の立場からみた「父の日」の意義、つまり父親の役割は何か、父親は子に何を語るべきかについて考えてみましょう。古来、我が国では「厳父慈…

愛にあふれた家庭が大事

仏教の教えに「薫習(くんじゅう)」という言葉があるそうです。お香を焚(た)く部屋にいると、その薫(かお)りがいつの間にか衣服に染みつくように、優れた人のそばにいるだけで、知らず知らずのうちに感化され、教えが入って身につくというのです。これ…

この世照らす光

早朝の運動を終えて、何気なく頭をグイッと横に捻ったら突然激しい眩暈(めまい)に襲われた。すぐに治まるだろうと、その場で瞼を閉じてじっとしていると、今度は吐き気を覚え始めた。吐き気をこらえて目を開けてみると、何もかもが大きく右回りにぐるんぐ…

「私の肝臓をあげます」

いのちのコンパス 生体移植という選択余命3カ月の父助けたい 付き合って7年の彼は心配しないかな。そんなことを考える前に、川野祥子さん(28)の口は動いていた。「私の肝臓を、父にあげます」 2006年4月、父の弘さん(55)に付き添って鹿児島県内の病院を…

お多福のわが母

今日は母の誕生日。母に関する切り抜きを載せてみた。※以下、「情(こころ)を育(はぐく)む」(親子で読みたい教育の話)より一部引用。 話は変わりますが、以前、高校生が国語の授業で綴った一行詩「父よ母よ」が評判になりました。○母よ! あなたは嫌味…

命懸け 貫き通した愛

『地球人間模様 @LOVE』駆け落ち(アフガニスタン) 部屋を出る時、父は何も言わなかった。そっと屋根に上ると、月明かりの中、村外れの丘に懐中電灯の白い光があった。今だ。屋根を下りて夢中で光に向かって走った。懐中電灯を手に暗闇の中に立っていた…

爺様支える老猫

『動物病院の四季6』ヒゲ獣医師の診療日誌 夏の最後を焼き尽くす太陽が朝からまぶしい。爺様(じいさま)がオンボロ自転車をキーコ、キーコと鳴らしてやって来る。老猫のタマは、荷台にくくり付けた段ボール箱から悠々と顔だけを出し、逃げようともしない。…

家族の原風景

『動物病院の四季4』ヒゲ獣医師の診療日誌 澄み渡る青空の美しい朝であった。僕の大好きな鈴木一家が、先週出産したばかりのマルチーズのアイを連れてやって来た。「先生、アイがだいぶ疲れている。点滴してやったらと思ってな」と父さん。「ここんところ毎…

入学式

「今日は小学校の入学式だ」 今朝、新聞を読んでいると誰に言うわけでもなく口を衝いて出た。 するとそれに応じるように、 「あーそうか、母ちゃんも入学式のとき、写真撮りに行ったなあー」 室内の物干し竿に洗濯物を掛けながら、間もなく古希の年齢に達す…