朴念仁の戯言

弁膜症を経て

2015-02-15から1日間の記事一覧

カテーテル検査翌日②

まな板の鯉、その体でその時を待った。 私の右目に、眼鏡をかけた男の姿が映った。 K医師だ。 K医師は、布を折りたたんだような大きさ20㎝四方のものをおもむろに私の右脚のつけ根に置き、その布をパタパタと広げ始めた。 上は胸元から、下は膝小僧まで、…

新聞投稿ボツ原稿③

表題「人生にイエス」 生きる意味は、と唐突に問われたら人はどう答えるだろう。 ナチスの強制収容所から解放された心理学者のフランクルは次のように説明する。 「生きる意味とは自己が発するのではなく、人生が提起するものであり、私たちは常に人生から問…

新聞投稿ボツ原稿②

表題「投稿のきっかけ」 車谷長吉氏は、忘れ得ぬ作家の一人だ。 自らが骨身に沁みた言葉を、虚実皮膜の間に綴る。 「読者の声」(投稿欄の仮称)を読むと、時折そんな言葉に出合い、唸ることがある。 投稿者は高齢者が多いようだ。 三十代、四十代の投稿が少…