朴念仁の戯言

弁膜症を経て

故郷

死への助走を意識し始めた齢となり、何かの拍子に人生の一場面が思い出されることがままある。

楽しいことよりもむしろ後悔や口惜しい想いをした場面ばかりがやたらと思い出され、否応なしに負の感情が呼び起こされる。

寝る前にそれが起きると始末に負えない。

だが、以前と少しだけ違うのは、その当時の情けない、弱い自分を否定し、突き放し、自己嫌悪に陥るだけだったのが、それも自己の一部と認め、弱い自分と向き合えるようになったことか。

人生からの問いかけは、今生の目的にも及び、ようやく母港に帰着した感がある。

 

母居たり。

其が故郷、私の居場所。

明日、8歳の二度目の誕生日を迎える前に記す。