朴念仁の戯言

弁膜症を経て

愚かな宇宙探査

「世界初、地下岩石採取へ」

3月31日、新聞の見出しも大きく、宇宙航空研究開発機構JAXA)が探査機はやぶさ2を使い、〔小惑星りゅうぐう〕に爆薬を打ち込むとか。
クレーターの形成過程の調査と、地下岩石を採取して太陽系誕生の痕跡を探るためらしい。
月の領有権を巡り、米・中・露の三カ国は月面基地建設を目論んでいるようだが、JAXAも含め、人間の欲望と愚かさには限りがないことをつくづくと思い知らされる。
その前の、〔小惑星いとかわ〕から7年ぶりに地球へ帰還したはやぶさが話題になり、映画化もされ、何やかんやともてはやされたが、その様子に「このおたんちんめが」と内心、毒づいていた。

宇宙旅行など宇宙ビジネスに参入する企業もある。

馬鹿も休み休み言え。
宇宙のごみ問題はどうする?
管理期間が数百年から数万年も要する放射性廃棄物はどうする?
宇宙開発云々よりもまずは地球の環境保全が第一ではないか。
後世にまた新たな負の遺産を遺すのか。

宇宙ごみスペースデブリ)の数は2010年現在で10cm以上のものが約20,000個、10cm未満1cm以上のものは約50万個あります。また、現在運用中の人工衛星は約1,000個あり、運用が終了した人工衛星についても約2,600個あります。
最近では、破片類が数百個、ロケット機体が数十個、運用終了後の人工衛星が10機前後、大気圏に再突入しています。人工衛星が大気圏に再突入する際、ほとんどは燃え尽きます。ですが、人工衛星の燃えにくい材質を使用した部品や、人工衛星が巨大な場合などは、地上(海上)まで残骸が落下することがあります。(「ファン!ファン!JAXA!」より転載)

人類は地球へ、途方もない甚大な責任がある。
産業革命以降、急激に、しかも散々と地球を犯し、国挙げて根本的な救済措置も取らずに宇宙に触手を伸ばすとは、同じ人間であることが嘆かわしい。

母なる地球の嘆きが聞こえないのか。

人間の垂れ流した、吐き出した欲望の塵芥が大海を、空を汚染し、海洋生物を犯し、オゾン層を破壊し、いずれ人間を犯す。
せいぜい欲望の獲得に励んで天に唾する結果を招くがいい。

人類はいっそ海の藻屑となって、あるいは太陽に焼き殺されて滅亡したほうが宇宙のためか。