朴念仁の戯言

弁膜症を経て

自殺を見ぬふり 人ごとではない

奈良県の駅で女子高生が電車に身を投げ、自殺したニュースをテレビで見た。
悲しい出来事だったが、自分には直接関係がないと思いながら過ごした。

ある日、会員制交流サイト(SNS)で女子高生が自殺するまでの動画が流れていた。
彼女は自殺する様子を、自分の苦しみを語りながら動画配信していたのだ。

彼女はなぜ、動画を配信したのか。
きっと、誰かに止めてほしい、助けてほしいという気持ちがあったのだろう。
駅には多くの人がいた。
その中の一人が動けば、彼女の人生は変わっていたのかもしれない。

この事件から、私は見て見ぬふりをする社会に対する恐怖とともに、私も見て見ぬふりをする中の一人になってしまうのではないか、という恐怖でいっぱいになった。
そのような残酷な社会になりかけていることを彼女は示した。
そして、この事件は人ごとでないことを、その場にいなかった私たちは考えるべきである。

あさか開成高3年の高橋愛美さん(平成30年8月9日地元紙掲載)