朴念仁の戯言

弁膜症を経て

安らぐことで病遠ざける

人が持つ「気」

「病は気から」という諺がある。「病気は気の持ちようによって、良くも悪くもなる」という意味で使われることが多いが、東洋医学では「病気は、気の乱れによって起こる」とされ、「気」は人それぞれが持つエネルギーのようなものを意味する。気が不足すると「気虚(ききょ)」と呼ばれ、疲れやすくなり多くの病が寄ってくるそうだ。

以前、職場の人間関係で悩んだ時に、東洋医学を生業にする先輩に相談したことがあった。その先輩は「気が合わないことを悩んでも無駄だ。人は互いに気のやりとりをしており、この相性は変えられない」と言った。

考えてみれば、「気が合う」「気がめいる」「気が散る」など多くの言葉が、私たちの生活の中で使われていることに気付いた。また、自然界からも気を得ているそうだ。暖かさ、太陽の光、そよ風、新緑など…。確かにイメージするだけでも気が安らぐものだ。

ちょっと疲れたなと思ったら、気の合う友人との会話を楽しもう、少し早起きをして散歩に出掛けよう、自然の中で過ごしてみよう。きっと、寄ってきた病も遠のいていくことだろう。

※チームHLSの旬話健康より(平成25年11月25日地元紙掲載)