朴念仁の戯言

弁膜症を経て

命(めい)を知る者は天を怨まず

知命者不怨天、知己者不怨人 『説苑(ぜいえん)』

後半は「己(おのれ)を知る者は人を怨まず」。命(めい)は、天が定めためぐり合わせ。天命。
天命を知る者は、何事も天の定めたことで、人の力ではどうにもならないことだからだと考え、天を怨まない。自分を知る者は、他人の自分に対する態度は、自分の言動、態度に原因があるのだから仕方がないと考えて反省し、人を怨まない、ということ。
天命に逆らわないというのは、中国の伝統的な人生観だが、現代ではちょっと通じにくいかもしれない。だが後半は、国や時代を超えて、一人ひとりに大切な心構えだ。
(監修は全国漢文教育学会長の石川忠久さん、本文は鶴見大教授の田口暢穂(のぶお)さん)
※平成21年2月25日地元朝刊掲載