朴念仁の戯言

弁膜症を経て

温暖化の進行、生態系直撃

環境省予測 ガス削減の必要性示す』※平成20年5月地元朝刊より。

地球温暖化が進むと今世紀中に西日本を中心にコメの減収が深刻化、高潮被害の増加やブナ林の減少など日本の生態系や暮らしに大きな影響が出るとの予測の結果を環境省が29日、発表した。
国内14の研究機関が参加。気温が1990年比で2050年に平均2.8度、今世紀末には4.8度上昇するとの予測を基に、農業、水資源、森林、沿岸域、健康の五分野について総合的に分析したのが特徴。2030年ごろに洪水被害額が年一兆円増える可能性があることも新たに判明。

研究によると、2030年ごろには、現在50年間に一回の頻度の豪雨が、30年間に一回になり、洪水の年間被害額は現在より増える見通し。北陸から東北の日本海側では積雪が減り、農業用水不足の恐れがある。
2050年ごろのコメの収量は、現在と比べ北海道で26%、東北で13%増える一方、近畿と四国では5%の減収。今世紀末には中国、九州でも減収に。品質低下も進み、不作の頻度が高まるという。
東京、大阪、伊勢の各湾と中国、四国、九州地方を合わせて2000年に29万人だった高潮の浸水予測地域の人口は、海面上昇と台風の強大化などで2030年に52万人、今世紀末には137万人に。
ブナの生育適地は全国的に、2050年までに現在の44-65%まで減少。今世紀末にはわずか7-31%までになり、本州の太平洋側を中心にほとんど消滅。世界遺産に登録された白神山地のブナ林も消失の危機に立つ。
また、今世紀末には、熱ストレスの死亡確率が現在の2-5倍に上昇するとの結果も出た。

本日24日、西日本の日本海側は記録的な大雪に見舞われ、鳥取、岡山、兵庫の各県では1月の観測史上最高を更新した。ここ数年の国内各地における記録的な豪雨、洪水、そして今回の大雪。
異常気象は何を意味するのか。
世界各地で頻発する地震は、「早く気が付け!」と地球が内部から発する人類への慈悲の声息ではないのか。
地球の行く末を知りながらそれに目を覆い、未だ経済優先を道標にして政策転換の意志を示さない日本。
そのツケを核廃棄物と同様、次世代、後世の人類へ回す。
アメリカのTPP離脱、いい機会だ。
自国の食料自給率を高めるため、農業、林業、漁業の第一次産業を主産業に、経済大国から豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)へ大転換する絶好の機会だろう。
国のあり方や他国との関係を見直し、武装外交の愚かさを悟り、誰のものでもない地球の恩恵に感謝し、誰もが人間に生まれて良かったと思える理想社会を目指してそろそろ亀の歩みを始めようや、日本。