朴念仁の戯言

弁膜症を経て

日雇いの夢

電車の窓から空を眺めると、なぜか田舎を思い出す
空は田舎に繋がって、おれはひとり
明日のために働いて3年
何やってんだ、おれは
中学ん時の夢追いかけて、八方塞がりになって、投げやりになって、人に迷惑かけてもまだ覚めねえ
田舎で安い給料で働いて家族養っている兄貴に言われた
「現実見ろよ。夢で飯喰えんのか。やるんだったらてめえのケツ、てめえで拭え」
ちくしょう、悔しいけど兄貴の言う通り
おれのやってることは、ただの、ガキの遊びの延長じゃねえか
兄貴の言葉、おれに貸してくれた金の重み、決して忘れねえ

今日の夜は皿洗い

誰に何言われても、なめられても気にしねえ
それどころじゃねえ、おれの人生勝負がかかってんだ、負けたくねえ
夢を手にするため、やったことのねえ営業に挑んで、駅前の行き交う人混みに分け入って見ず知らずの人間に声かけて
はじめの日は立ち往生して何もできなかった
ビルの谷間の細い路地に逃げ込んで、壁にもたれて、ビルの隙間に見える夜空を見上げ、込み上げてくるものを呑み込んだ
今も電車賃に事欠く日々
でも諦めねえ
約束したんだ死んだあいつと