朴念仁の戯言

弁膜症を経て

年頭に想う

新年だ。
年の区切りとして目出度いことなのだろうが、これも人間界の出来事であって、自然界は何ら変わりなく、過ぎ行く時の概念も人間だけのものであって、自然界はただ「今」あるだけ。
人間も肉を脱ぎ捨てれば、過去も現在も未来もなく、「今」あるだけの魂となる。

可燃物の収集日を狙って生ゴミを漁るカラスのように、庭の片隅の砂地に人糞と見紛うような糞を積み上げる野良猫のように、物悲しい眼で遠くを見詰める鎖に繋がれた飼い犬のように、今を生きたい。
「今」を意識し、今あることの有難味を知れ。