朴念仁の戯言

弁膜症を経て

白鵬のあがき

意識して行っていようが、取組前の控えから土俵に上がっての所作が礼法のように一番整っている力士は白鵬だろう。
横綱の風格が漂う。
だが、勝ちに徹した取組は時に汚い。

今日、手負いの御嶽海に、よもや張り手やかち上げはないだろうと見ていたが、意に反して張り手をかました。
白鵬のやり口には賛否あるようだが、指摘されているように年齢による身体の衰えがそうさせるのか、まともに組んで勝ちを得るには難しくなったのか。
楽に勝ちを得ようとする狡猾さと、勝つために手段選ばぬ非情さが、予想外の引退を前にした風前の一瞬の灯火、あがきのように映る。
逆に白鵬に張り手をかます気概ある力士はいないのか。

白鵬の、ネコ科の虎のように躍動する筋肉から繰り出される身体能力とその強さは、歴代の横綱の中でも群を抜いている。
強さは誰もが認めている。
白鵬よ、横綱らしく相手の当たりを胸でがっちり受け止め、四つに組んで勝負しろ。
それで負けが込めば潔く引退、それが横綱だろう。

白鵬の取組後、母の一言で溜飲が下がった。
白鵬のバカ」