朴念仁の戯言

弁膜症を経て

不思議な出来事

彼岸に、昨年亡くなった義姉を思い出します。
生前、姉と二人で度々実家に遊びに行きました。
穏やかな人で、「よく来たない」と迎えてくれ、3人で楽しくお茶を飲みました。
そんな義姉の世話になって旅立った父母は本当に幸せだったと思います。

一時間ほど話し「また来るよ」と言うと、「いつでも来らし」と温かい言葉に送られ、姉と「今度はいつ行く?」と楽しみにしていたことを懐かしく思い起こします。

夜、私の部屋に、パジャマ姿の女性が入ってきて、話をせずに出て行ったことがあります。
隣の部屋で寝ている孫娘に「ばあちゃんの部屋に来て、何で黙って出たの?」と訊くと、「行ってないよ。寝ぼけたの?」と言われました。

眠れないまま迎えた朝。
甥から「ばあちゃんが亡くなった」と電話がありました。
義姉の魂が私にお別れに来てくれたのだと思いました。
不思議な出来事でした。
楽しい時間をありがとう。
仏前で声なき会話を交わしています。

※石川町の瀬谷マツノさん76歳(平成31年3月19日地元紙掲載)