朴念仁の戯言

弁膜症を経て

あるがままに

春のような日差しが、とてもまぶしく感じられる。
私の心にも変化が表れてきたようだ。

病をがっちりとつかんで、終活にとらわれて、むなしい日々を送ってきた。
幸せであっても、過ぎ去った楽しかったこと、良かった出来事などを、いつまでも引きずって、これからの短い寿命をどう延ばすかを考えてきた。
しかし、物欲やわがまま欲を得る幸せよりも、「あるがままに生きること」。
それこそが人生後半にふさわしいのではないだろうかと思うようになったのだ。

今や90代や100歳まで生きる人が珍しくなくなった時代。
終活にとらわれているばかりの老後では寂しい。
自分だけの命である。
自然とともに生き、桜の咲くのを何年、何回、健康で多く見られるかが、今の私の夢に変わった。

二本松市の菅原チヱ子さん81歳(平成31年3月5日地元紙掲載)