朴念仁の戯言

弁膜症を経て

身を賭し子を守った父

今年も北海道は、厳しい冬のようです。
この時期になると、6年前に発生した痛ましい事故が思い出されます。

猛吹雪の日、父が車で小学3年の娘を児童センターに迎えに行きましたが、帰りに車が雪に突っ込んでしまいました。
ガソリンが少なかったことから、近くの建物に避難しようとしたもののそこの鍵が開きません。
雪の中で娘に自分のジャンパーを着せ、10時間娘を抱き続けましたが力尽き、亡くなったのです。
娘は軽い凍傷で済みました。

このニュースを聞いた時、目頭が熱くなり、自分の命を賭けて子どもを守ったことに、本当の親の姿を見ました。

「しつけ」と称して、子どもが亡くなるまで体罰を続ける事例が報じられる昨今です。
「子は親の背中を見て育つ」という言葉を思い出します。

里山を歩くと、よく道端にお地蔵様を見掛けます。
お地蔵様は人間界の一番近くにいる仏様だと聞きます。
亡くなった子どもたち。
そちらには体罰もいじめもないと思います。
楽しく遊んでください。
そしてお地蔵様、そんな子どもたちを、優しく温かい家庭に生まれ変わらせてください。

郡山市の横田良夫さん67歳(平成31年2月24日地元紙掲載)