朴念仁の戯言

弁膜症を経て

健康の秘訣

古来、常識として健康の秘訣に、早寝早起きすること、暴飲暴食を避けることなどが挙げられています。
ところで、体の健康と同様に必要なのは心の健康ではないでしょうか。

私が実行している心の健康の秘訣は「発想の転換」にあります。
二つの例を挙げてみます。

一つは、「今日は私の一番若い日」と考えて生きるならわしです。
母の胎から生まれて、今日はどう考えても一番歳を取った日です。
ここで発想を180度転換するのです。
つまり、明日はもう一日歳を取るのだから、今日は私にとって一番若い日なのだ、今日より若くなることはない。
そう考えることによって、今日という日を、できるだけ若々しく、明るく生きよう、老いを嘆くのでなく、歳を取った自分にも、他人にも、優しく過ごそうと考えることができるようになります。

アンチ・エイジングという言葉のもとに、さまざまな運動、食事、薬などが奨められていますが、お金も時間もかからず、しかも周囲の人々まで明るく、健康にすることを可能にする発想の転換なのです。

二つ目の秘訣は、「人生の穴」に対する自分の接し方です。
病気、愛する人の死、事業の失敗など、人生には必ず「穴」が開きます。
その時、嘆き悲しんだり、後悔するのは当たり前ですが、ここでも発想を転換するのです。

穴が開くまで見えなかったものが、穴が開いたからこそ見えることがあります。
現実に、深くて暗い井戸を覗いて見る時、真昼間、肉眼では決して見ることができない星影が井戸の底に見えると言います。
それだけ、自分の世界は広がり、豊かになるのです。

(自分の)力に余る試練を与えない善き神は、私たちを見守り、体とともに、心の健康を保つ力と勇気をお与えくださいます。

※シスター渡辺和子さん(平成27年1月14日心のともしび「心の糧」より)