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朴念仁の戯言

弁膜症を経て

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人生

若い世代へ励まし 酒井大阿闍梨が講演

比叡山の荒行「千日回峰行」を二度達成した酒井雄哉大阿闍梨(あじゃり)が大阪市内のホテルで「みのり」をテーマに講演。自身の体験談を交え「環境が変わると、人はよい方向に変わる」と若い世代に励ましの言葉を贈った。
80歳を超える酒井師は、約860人の聴衆を前に約一時間半、立ったままで講演。まず、比叡山中を中心に千日間歩いて巡拝するという天台宗独特の苦行である千日回峰行について説明。続いて出家する前の30歳代の逸話に移った。
あるとき、顔見知りの僧侶に「そろそろどうするか、しっかり考えないといけない」と諭され、お寺の下働きをして生きていこうと決意。39歳で得度した。
修行を始めた当時は、延暦寺の開祖の名前も知らず、教養を身に付けるように命じられ、天台宗の僧侶になるための叡山学院で聴講生となった。
「小学生から落第生で、辞書の引き方も知らなかった」。しかし、夜、師僧の勉強を手伝ううちに、学院の試験で平均80点の成績を取るまでになった。
その後、本科生になり、努力を続けたという酒井師。こうした姿勢を延暦寺の住職も認め、寺に残って僧職に就けるように取り計らってくれた。90日間も仏堂にこもり、堂内を歩き続ける「常行三昧(じょうぎょうざんまい)」などの修行を成し遂げ、異例で住職になれたという。
さらに回峰行の苦行体験などを披歴した後、「環境や流れがよくなると、よい方へずっと流れていく。子どものころからダメな人でも、一つ『知恵』をもらって肥やしを与えていけば、必ずいい道が開ける」と強調。
「若いうちは目前のことにとらわれ、道を間違うことがある。今、何をすべきかを大きな視点で考えてほしい。大人も、若い人々にアドバイスしてあげる必要がある」と結んだ。

平成20年7月4日地元朝刊掲載