朴念仁の戯言

弁膜症を経て

新聞投稿ボツ原稿②

表題「投稿のきっかけ」

 

車谷長吉氏は、忘れ得ぬ作家の一人だ。

自らが骨身に沁みた言葉を、虚実皮膜の間に綴る。

「読者の声」(投稿欄の仮称)を読むと、時折そんな言葉に出合い、唸ることがある。

投稿者は高齢者が多いようだ。

三十代、四十代の投稿が少なく感ずるが、大方は世間の反応を気にしているのではないか。

私もその一人だが。

協調性が求められる職場では、時に個の意見は聞き流され、忍従を強いられる場面に出くわす。

すると、内奥からマグマのような不満が鬱積し、その反動が自己存在の意味を問う声となって湧出し始める。

「もうそろそろ(自分を)解放してやってもいいじゃないか」

そんな声も聞こえる。

投稿は些細ながらもマグマの解放、そして自己存在の証にもなろう。

文字、言葉の重みを感じながら、日常感じたことを、自分なりの骨身に沁みた言葉で投稿していきたい。

※今回掲載するにあたり、原文一部変更。