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朴念仁の戯言

弁膜症を経て

入院8日目

平成17年11月14日、晴れ。

午前。

今日は、隣のOさんがカテーテル手術を行うことになっている。明日も、二日続けて。

冠動脈だと思うが、血管5本が狭窄しているとか。

バイクで怪我をした男性は、部屋が変わったのか、退院したのか分からないが、いつの間にかOさんと入れ違っていた。

午後。

Oさんは無事手術が終わり、集中治療室で安静中とか。

明日はいよいよ私の番だ。

その前準備として点滴用の針を手首付近に差し込む。その後、抗生物質の抗体を調べるため注射2本打つ。

剃毛は、電気カミソリを使い、シャワー室で自分でやってみたが、剃り不足があったせいで結局は看護師の手を借りることになってしまった。その時、念入りに剃られたせいか、睾丸周りがやけにヒリヒリした。

剃毛後、しばらくするとカテーテル検査に立ち会うという看護師二人が訪れ、いろいろ質問してきた。その中で、

「以前に心不全と言われたことは?」

と訊いてきた。

「いや」

と短く答えたが、その時は心不全即死、と思い込んでいたから、なんて配慮のない機械的な質問をする看護師なんだ、と、内心憤りの鎌首がもたげていた。

多くの患者を相手にしているうち、一人の人間を、一個の人間に成り下げるようになってしまったのか。冷静に、そして感情移入しない冷やかさを残して、二人の看護師は部屋を後にした。

 

 ゆく年に 生きゆく試練 荷うなり