朴念仁の戯言

弁膜症を経て

社会

毒性

日常ではほとんど聞かれなくなったが、上方落語などでしばしば耳にする。「どくしょうな目におうた」「どくしょうなことを言いよる」と言った使われ方で、程度のひどいことや毒々しいことを意味している。人に対して用いられる場合もあり、「どくしょうな人…

入院時にいじめ 厚顔無恥に怒り

昨今では病院にもいじめが巣くっている。先日、ある病院に認知症の母の入院に付き添った。 4人部屋の4人目として入室した際、先に入院していた方にあいさつを忘れたことでも不快だったのか、認知症ゆえの母と私のいささか幼稚な会話をあげつらい、3人でひそ…

母の日に思う

いつ頃からあるのか知らないが、社会への免疫力少ない小学生時分、母の日・父の日の訪れは私に嫌悪感を抱かせた。 クラスの連中の視線を好奇の矢のように感じ、みじめに、哀しみに沈んだ。 片親、もしくは両親のいない子どもたちの気持ちを汲み取らず、しか…

ネギと人間

韓国の民話にネギと人間にまつわるものがある。人間がネギを食べなかった頃の話。 どうかした拍子に人間が牛に見えてしまう時がある。すると人々は牛だと思って人間を殺して食べてしまう。ある時、ある男が自分の兄弟を牛と見違え、早速殺して食べてしまった…

一致を願う

柴生田稔(しぼうたみのる)という近代歌人の詠んだ歌です。 今日しみじみ語りて妻と一致する 夫婦はついに他人ということ 時間をかけて、しみじみ妻と語り合った結果、一致に到達した。その結論は、夫と妻は夫婦であるが、お互いに〝他人〟であることを忘れ…

時代が生んだ暴力描く

本田靖春との共通点 後にフリージャーナリストとなった本田靖春は、都立千歳高校の同級生だった。高校1年のときにぼくが務めた生徒会長を、高校2年で本田が引き継ぐことになったが、まだこのころはそれほど親しかったわけではない。ただ、戦後の独特の空気を…

暴力の連鎖変える道標

ライファーズ 坂上香著 人は変わることができる。サンクチュアリ(安全な場所)と、話を聞いてくれる仲間でいれば、暴力の連鎖は回復の連鎖に変わり得る。米国の刑務所や社会復帰施設で、犯罪者の更生プログラムで行ってきた民間団体アミティ。17年間の取材…

障害者が働ける法と環境整備を

私は若いころから転職を繰り返していました。車の大型免許を持っていたことから、30歳を過ぎて運送会社に就職し、8年ほど勤めました。 もっと勤めたかったのですが、性格が災いしたのか病気になってしまい緊急入院しました。何とか落ち着いた時に、医師から…

樹木葬墓地を訪ねて

車窓に映る緑の色が北上するに従って、若くなっていく。私が暮らす東京では、すでに夏の色になりつつあるのだが。季節を逆にたどるような感覚を味わいながら、ふと思う。人の一生にも、こんな風に時をさかのぼる特別な日があるといいのに。そうしたら、見送…

現代の「ひじり人」たち

「おくりびと」という言葉が流行語のように使われている。青木新門さんの「納棺夫日記」が発端だった。「納棺夫」とは死者の体をきれいに拭って、お棺に納める人のことだ。青木さんは長い間、その仕事に携わっていた。本を読んで青木さんと交流を持った本木…

小さければ小さいほどよい

私はすでに70歳を超えた。異なるジャンルの仕事をかなり乱暴に渡り歩き、そこそこの世俗的成功と、その10倍ぐらいの失敗を重ねてきた。保障もなく厳しい競争にさらされる仕事ばっかりだったが、その分スリルと快感も味わった。そして今、人生レースの最後の…

人間の生に対する執着知る

死刑―。教誨室と前室には死刑確定者の信仰に対応して仏教、キリスト教、神道の祭壇を飾る。ここでは教誨師が説教、説話を行い、引導が渡される。執行の日は朝、首席矯正処遇官が確定者にこれから死刑を執行することを告げる。この宣告に対しては恐怖のあまり…

「生きる意味」を考えて

最近、神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんたちと交流を重ねる中で、人間が生きる意味について、深く気づくことがあったので、そのことを論じたい。ALSの患者は病気が進行すると、全身が動かなくなり、呼吸器をつけて生命を維持することにな…

マイ・ハシしてますか

夕顔咲くうどん屋で 暮れ残る店先の夕顔を横目にうどん屋に入ったら、八割がた埋まっていた店内の空気がほぐれずに何だかとげとげしていた。訳も分からずテレビの前のカウンターに座り、冷やしたぬきうどんを注文する。店員はこわばった顔に苦笑いを浮べてい…

幸せ望み 別れ告げる

かなわぬ恋(ベトナム) 雨が菩提樹の葉を打つなか、彼は傘もささずに一人ベンチに座っていた。「男の人にしては細い肩」にバンは近寄って傘を差し出した。「ありがとう。でも、いいよ」。優しい目。どこか寂しげにも見えた。「特別な何かを持った人と思った…

心を動かされた辻井さんの一言

盲目のピア二スト辻井さんが国際大会でチャンピオンに輝き、凱旋帰国した。 マスコミからの取材で「夢はかなったと思いますが、ほかに何か、かなえてもらえるなら」の質問に「一度でいいから、一瞬でいいから、母の顔が見たい」と答えていた。 この言葉に感…

デジタルの阿弥陀クジ

聞こえづらい〝人の声〟 最近はテレビもデジタル化され、生活のすべてがデジタル化される時代がやってきつつあるが、ご承知のようにデジタルとは音も映像も「1」と「0」の記号の組み合わせで出来た疑似自然であり〝生(なま)〟の情報ではない。 そういっ…

「無常」から明るい旋律

宗教学者 山折 哲雄やまおり てつお 金融恐慌、通貨危機、100年に一度の大暴風…。いささか大げさな言葉が、ちまたにあふれ出している。ほとんど異口同音の波に乗って、それが聞こえてくる。けれども、どうだろう。その「金融恐慌」という名の妖怪の本質は、…

答えてもらえない悲しみ

随想「対話できる社会、そして優しさ」 人間は人々との対話の中に生きているのだとつくづく思う。今、失業者も就職活動をする若者たちも深い悲しみや絶望の中で「なぜ私たちは社会から必要とされていないのか?」と問い、その答えを待っているのではないだろ…

あの苦難あってこそ

『逆風に挑む ふくしまの技7 ものづくり脈々』大手に一矢報いる 創業からちょうど20年目の今年。東洋システム(いわき市)社長の庄司秀樹(47)は新年あいさつで県内外を飛び回りながら時々、忘れようにも忘れられないあの事件を思い出していた。 ■ ■「…も…

利益よりも教育優先

『ものづくり脈々5 逆風に挑むふくしまの技』家族は仕事の原点 「専門知識を持つ君が必要なんだ」。平成4年春、日大理工学部の男子学生を朝日ラバー(さいたま市)社長の伊藤巌は熱っぽく口説いた。今は会長となり74歳の伊藤は「社長業の三分の一は人材の…

大統領令 差し止め命じた判事

弱者に寄り添う人権派 【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州シアトルの連邦地裁でイスラム圏7カ国からの入国を禁じる大統領令の一時差し止めを命じ、一躍「時の人」となったジェームズ・ロバート判事(69)は、難民や障害のある子ども、黒人ら社会的弱者…

中身は〝母の愛〟

宅配扱い丁寧に 「みんなのひろば」に「心も送る宅配便 手荒な扱い残念」という投稿が掲載されていました。本当にそう思います。娘が転勤先に住んでいた時のこと。正月の餅やこしあんなどを宅配便で送りました。しかし、届かないと言うのです。宅配業者に問…

温暖化の進行、生態系直撃

『環境省予測 ガス削減の必要性示す』※平成20年5月地元朝刊より。 地球温暖化が進むと今世紀中に西日本を中心にコメの減収が深刻化、高潮被害の増加やブナ林の減少など日本の生態系や暮らしに大きな影響が出るとの予測の結果を環境省が29日、発表した。国内1…

飼い猫と野良猫のはざま

「動物病院の四季3」ヒゲ獣医師の診療日誌 私は手術助手の家内を相手に当たり散らしている。別段、家内に腹を立てているわけではない。体重5㌔もあるメス猫の避妊手術の最中なのだ。皮下脂肪は厚いところで1㌢を超え、おなかは脂肪組織で満たされている。…

今月8日に

今月の8日、天皇陛下は国民に異例の「お気持ち」を表明された。「象徴とは何か」憲法第1条に、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とある。憲法に象徴行為を示す具体的な規定は為さ…

耳で見て 目で聞き 鼻で 物食ふて 口で嗅がねば 神はわからず

宮本信子主演の「ミンボーの女」だったか、老婦人がスーパーで手にする食品を次々と指で押し潰すシーンがあった。 実は母がこれに近いことをやる。 その度に私は、「買いもしないのにだめだよ、握っては」と強い口調で窘める。 すると母は、「つい握りたくな…

「保育園落ちた日本死ね」に想う

こういう言葉を吐かないと世論、国は動かないのか。 新聞でこの罵声の文字の羅列を見た時、発信者のヒステリックさが伝播し、胸糞悪くなった。 感情を吐き出したい事情はよく分かる。 事情は分かるが、ちょいと待てよ、と思う。 激情に任せた言葉が独り歩き…

詐欺

「なんで騙されんだべ」 今朝の母のひと言。 「なりすまし(オレオレ)詐欺」の被害に遭った男性の新聞記事を見て、口を衝いて出たのだ。 被害額は200万円。 新聞やテレビで毎日のように報道されているのに何故こうも騙されるのか、不思議でならなかった。 …