朴念仁の戯言

弁膜症を経て

気難し屋

「ご無沙汰だな。体調どうだ」Hの遠慮ない声を耳にし、同級生の気安さを感じながらも勤務中に掛かってきたせいか、外づらと内づらの切り替えがすんなりいかず、変に身構えてしまい、それはぎこちない声音となって表れた。「おう、久しぶりだな。変わりねえ」…

色欲

先月の休日勤務時、仕事で付き合いのあるKが予告なしに職場を訪ねて来た。 Kは、社員駐車場に私の車を見掛けたから寄ったと言った。 Kの与太話には付き合いたくなかったが、気持ちを切り替え、席を勧めた。 珈琲は、と訊くと、大きくかぶりを振り、いいよ、…