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朴念仁の戯言

弁膜症を経て

おとうちゃん大好き

一昨日、歯科医院の待合室で中央紙を読んでいたら、1面の編集日記に心が和んだ。私の子どもだったらどうだろう。さてさて、その当時の気持ちは今も…。 おとうちゃん大好き おとうちゃんはカッコイイなぁぼく おとうちゃんににてるよね大きくなるともっとにて…

古墳思えば病は小さい

政治学者 草野 厚さん 日本の政治や外交に鋭い論陣を張る政治学者の草野厚さん(69)。慶応大教授を退職後、これまでの研究分野を離れ、古墳のフィールドワークをする毎日だ。全国を飛び回る姿からは、四半世紀近くにわたってC型肝炎ウイルスとの闘い、肝臓…

修羅を抜け、命問う

次男の自死、妻の破綻…宿命受け止めた 作家 柳田邦男さん 悲しみは真の人生の始まり。肉体は滅んでも魂は生き続ける―。作家の柳田邦男さん(80)は事故や災害、闘病の現場に立ち、命の意味を問い掛けてきた。年齢とともに円熟味を増すその死生観は、57歳で経…

さまざまな正月

日曜論壇 毎年お寺のお正月は、檀家(だんか)さんからの年始受けやこちらからの年始廻りで慌ただしい。こちらからお邪魔するのはお寺独特の用語で「配札(はいふだ)」というのだが、要するに元朝に祈祷(きとう)した御札(おふだ)を配り歩き、各家の一年…

年初の便り

『水の透視画法21』こころばえと憂愁… ことしの賀状はいつもの年とずいぶんちがって、気のせいか、文面や絵がらが重く沈んでいた。何通かはおきまりの祝詞を略して「暗中模索」だの「五里霧中」だの、およそ賀状らしからぬ文言でまえおきし、「めげずにが…

葬儀日に届いた父の検体申込書

父への検体の申込書が届いたのは葬儀当日だった。近所の人に相談したら「おれたちには関係ない。家族で決めろ」とのことだった。「無駄な慣習はやめ、世のために何か尽くしたい」というのが父の遺志だった。気が動転している家族で即決できるわけがなく、父…

考えさせられる寿命の不思議さ

この十月に、妹が亡くなった。姉二人と実家の兄も二年前に亡くなっているので、きょうだい七人のうち健在なのは、私と末の妹だけとなった。年齢、体調からいっても「この次は私の番かな」と思っていた。先日、ある人にその話をすると「死ぬのは病気でもなく…

一瞬の出会いに魂込め

地下鉄音楽家(英国) 薄汚れた地下鉄構内を秋風が吹き抜ける。ロンドンの繁華街、サウスケンジントンに夜が迫っていた。それぞれの目的地へ急ぐ大都会の人波。通路に響くクラシックギターの調べが、風の冷たさを心持ち和らげていた。「ママー!」。英国のロ…

明日はまた新しい自分を作り上げる

若い世代へ励まし 酒井大阿闍梨が講演 比叡山の荒行「千日回峰行」を二度達成した酒井雄哉大阿闍梨(あじゃり)が大阪市内のホテルで「みのり」をテーマに講演。自身の体験談を交え「環境が変わると、人はよい方向に変わる」と若い世代に励ましの言葉を贈っ…

恥じを知れ

恥(は)ずること無(な)かる可(べ)からず人不可以無恥『孟子』※平成20年6月2日地元朝刊「金言名言」より。 孟子曰人不可以無恥無恥之恥無恥矣 孟子曰(い)わく人は以(もって)恥ずること無かる可からず恥ずること無きを之(これ)恥ずれば、恥無し 人…

出会うこと

私の焼き物の原点は天目茶碗にあります。二十代の終わりごろ、NHKで曜変天目茶碗が放映された時、宗像窯伝来の鉄釉(てつゆう)の中にこれに近い輝きを見た記憶が蘇り天目茶碗への挑戦が始まりました。天目茶碗は天目型と言われるすっぽん口、御猪口(おちょ…

知ったかぶりの戒め

知之為知之(之を知るを之を知ると為し)不知為不知(知らざるを知らずと為す)是知也(是知るなり) ※平成20年5月27日地元朝刊「金言名言」より。 孔子が血気盛んな弟子・子路(由)に教え、戒めた言葉。「由よ、おまえに知るということはどういうことか教…

息子を失くして亡母の言葉痛感

今、母親と同じ年ごろになって母のあのときの言葉が昨日にように思い出されます。母は長男と次兄が亡くなったときは気も狂わんばかりに毎日、毎日泣いてばかりのいたのです。そのとき私が、「そんなに悲しいの。代わりに私が死ねばよかったのにな、母ちゃん…

出会い待つ旅 始まる

「成人の日」エッセー 1976年5月、20歳になる一カ月前、僕は東京・吉祥寺の井の頭公園のベンチに座っていた。高知という片田舎から期待に胸を膨らませて上京した人間にとって、学園紛争後の東京の空気はやけに空々しく、まして自分の将来の見取り図が描けな…

いつだって人生やり直し

昨年末のテレビ番組に覚醒剤で捕まった清原和博が出演していた。自業自得と言えど覚醒剤使用から逮捕されて独房入りするまでの状況と、そして、涙ながらに「息子に会いたい」と話す清原の哀しい姿。 その映像から目を離すことができず、言いようのない感情が…

言葉の力

正月三が日も過ぎ、平常の生活に戻って年初の投稿。 何を書こうか、前回の「日雇いの夢」の裏話にしようか、つらつら考えた挙句、新聞の切り抜き記事をネタに書こうと決めた。 10年前の1月20日の地元紙サロンから、タイトルは「ありがとうの不思議な力…

天の涙

職場での昼休み、イヤホンを通して流れる音楽を聴きながら図書館から借りた本を読む。外界の雑音を遮断して自分の世界に入ると徐々に安息の時が入り込んでくる。目にはアリステア・マクラウドの「冬の犬」。耳にはエリック・クラプトンの「Tears In Heaven」…

輪廻転生

椎名誠著の「ぼくがいま、死について思うこと」の巻末の、少し長いあとがきに二十歳の時に自死した友人Nのことが書いてあった。 車で子どもを撥ね、大怪我をさせてしまい、Nは自責の念から縊死した。 遺書には子どもへの詫びと悔恨の言葉、そして「死にた…

老いの行方

車をバッグして玄関前に乗り入れると、M伯父が丁度玄関口に出て来た。 伯父は目を見開き、びっくりしたような顔で私たちを凝視した。 「Mさん、元気だったがよー」 車の窓越しから母が訊ねた。 「あれ、誰だっけ、あのー、うー」 伯父は言葉にならない言葉…

銀色のはるか途上に試練あれ 

「遠い遠い はるかな道は冬の嵐が 吹いてるが谷間の春は 花が咲いてるひとりひとり 今日もひとり銀色のはるかな道」 仕事帰りにいつもの道を走らせていると、ラジオから懐かしいメロディに乗って淡々と歌詞が流れてきた。春の歌の特集らしい。春は、旅立ち、…

夢幻

晩飯後の、燗酒で和らいだ身体を炬燵に滑り込ませ、見るともなくテレビを眺めていた。 次から次へと歌い手が登場し、持ち歌を歌っていた。 潮が知らぬ間に海辺を満たすかのように懐かしさが込み上げてきた。 もう二度と戻ることの出来ないその時代の自分も、…

男の終い仕度

「もっともっと生きたいように生きるべきではないか」 その言葉通り生きた安藤昇が十六日、肺炎で亡くなった。 やくざから俳優に転身し、晩年は気の向くままの執筆稼業。 やくざ時代全盛時には組員千人を束ね、その中には素手ゴロ最強と謳われた花形敬や、後…

火の車

金の工面に困窮している状況を火の車と言うが、本来は仏教語で火車(かしゃ)と言い、地獄で死人を運ぶ、火の燃えている車を意味する。 この世にはその乗り手がうようよと、どこまでも切れ目なく列なして待っている。 どの辺に私は並んでいようか。 それとも…

死ぬということ

野球のユニフォーム姿の写真が新聞に載った。 野球帽の下には穏やかな人柄を思わせる笑顔があった。 それから数十年後、その笑顔の主は新幹線の車中で自らの手で71年の人生の幕を閉じた。 一人の女性を死に追いやったことも知らずに。 高齢者の犯罪は以前…

魂の浄化

田舎に帰ると優しくなれる、弟はそう言って頬を緩ませた。 明日は帰るという日、夕食時から弟の様子は違っていた。 寄せる感情を咀嚼しては呑み込む、その反芻の只中にいるものか、いつもより言葉少なだった。 幸せと嬉しさと、哀しみがごちゃ混ぜになってる…

生き方

「人」と「間」が合わさって人間。 人間は、覚者であろうと悪党であろうと誰一人として自己以外の他者と係わりなしに社会生活を営むことはできない。 その係わりは、他者を憎悪することでも、怒りを向けることでも、制裁を科すことでも、況してや殺すことで…