朴念仁の戯言

弁膜症を経て

2019-03-30から1日間の記事一覧

大石順教尼を偲びて ー人間、このかけたるものー㉑

「先生、お背中流しましょうか」「ありがとう、お願いしますよ」緑蔭に包まれた仏光院の昏(く)れは早い。 「おや、垣根に、夕顔の花が……」浴場の片隅に置かれたタライ湯の中で、順教尼は足の不自由な塾生を相手に、夏の夕暮れの風情(ふぜい)を楽しんでい…