朴念仁の戯言

弁膜症を経て

仏様のような生き方

「蓄えも年金も少なく、皆さんとお付き合いすることはもうできません。暖かい土地へ移り、妻と静かに暮らします」。そんなあいさつ状を出し、親しい人にも転居先を告げずに姿を消した男性がいた。20数年前のことだ。直前まで、東京で学ぶ会津出身者のための…

子の教育は親の責任(日本人の美学)

節目の躾 桃栗3年、柿8年、梨の大ばか16年。この言葉は誰に教えられたわけでもないのに今も頭の中に残っています。地域によって表現は異なるようで、作家の山本周五郎さんは梨ではなく「梅の木18年」と書いています。桃栗は3年目から実をつけ、柿は8年目から…

不食という生き方⑥

家族には、思うほど深いつながりはない 家族や血縁にこだわる必要もありません。私たちの本質が、元はたった一つの魂であることが理解できれば、この意味がすぐわかると思います。もちろん親から生まれる以上、その人物のDNAを受け継いでいることは否定しま…

不食という生き方⑤

男女の垣根を超えると豊かになる 私は「男女」についても、こだわりがなくなりました。生まれ持った肉体上の性別はあっても、こうすべき、こうしなきゃいけないという強迫観念が、自分の中から消えました。女性性が強い時代になると先述したのも、女性が男性…

不食という生き方④

歩く(走る)ことで不調は解消される ※(走る)は朴念仁の追記 事務所に相談に来られる方に中には、不調や病気の原因が「運動不足」によるものである方が割といらっしゃいます。まったく歩けないならまだしも、普通に生活しているのに心身が不調だというケー…

不食という生き方③

おたがいに譲ればすべて解決する 最近は、弁護士会から講演を依頼されることもあります。そこでよく言われるのが「あなたの考え方には正直驚きましたが、実は私も興味があります」という感想です。弁護士というのは、依頼人の利益や権利を守るために仕事をし…

不食という生き方②

どんな存在であれ、つながっている 争うというのは「善悪のラベル貼り」です。自分は正しく、相手は間違っている。それをどんな方法を用いて明白にするか? 係争はその最もたるものです。相手を非難することで一方的な立場を得ると、一時的に高揚します。自…

不食という生き方①

年末、久しぶりにアマゾンで本を数冊購入した。パソコンの画面には消費者の購買欲を煽るように、注文した本に関連する本が次から次へと紹介される。その中にあった本を、行く予定がなかった図書館で偶々見つけ、借りた。数時間で読める文量だ。その内容は、…

センター試験以前

大学入試にまつわる不快な記憶が消えたのは、厄年の前にパニック障害やうつ病を患い、死なないでいるだけで精いっぱいの底つき体験を経たあたりからだ。要するに、底上げの価値観のもとでは生きのびられなくなり、ただ生きて在ることの大事さが身にしみた時…

からだの声に耳傾けて

年を重ねて あきらめ上手に 親しい付き合いの人たちが、このところ続いて大病をしている。仕事が忙しすぎたとか、長年の連れ合いの介護で、自分のからだを顧みる暇がなかったために病気の発見が遅れた人もいる。気にかかっているが何もできない。みんな60…

楽屋で聞いた いまわの〝喝〟

◆母の最期私は、母の龍千代が大好きだった。15歳で娘歌舞伎の世界に飛び込んだ母は、とても厳しく、そして優しい人だった。私が4、5歳の時、当時流行したインフルエンザで40度の熱にうなされ、ほとんど意識がなくなってしまった時があった。医者が「す…

この世照らす光

早朝の運動を終えて、何気なく頭をグイッと横に捻ったら突然激しい眩暈(めまい)に襲われた。すぐに治まるだろうと、その場で瞼を閉じてじっとしていると、今度は吐き気を覚え始めた。吐き気をこらえて目を開けてみると、何もかもが大きく右回りにぐるんぐ…

大衆演劇を守り続けた堅物

◆厳格な父父清は、私が紅白歌合戦に出場した年の1983(昭和58)年6月に亡くなった。75歳だった。紅白のシーンは見せられなかったが、劇団の公演が超満員御礼になる姿は見せられたと思う。大衆演劇全盛期の昭和初期、父は剣劇の大スター市川梅三郎として全国…

幻想をかなえる仕事

セックスワーカー(オランダ)アレクサンドラ(21)がガラス戸の中で体を揺らしている。人懐(なつ)こい笑み。下着を付けただけの引き締まった肢体。道行く男たちの視線を集めて楽しんでいる。オランダは売春が合法化されている世界でも珍しい国。首都アム…

ハチに教わったこと

庭の刈り込みをしていて、知らずにアシナガバチの巣を切り落としてしまったことがある。そのときは、怒ったアシナガバチに顔を3カ所も刺され卒倒しそうになった。 ハチの毒は、ショック症状を起こしたり死に至ることもあるので、注意は必要だ。だが、芋虫を…

最も健康だった薄幸の妹を思う

きょうだい3人のうち最も健康であった妹は、隣町の女学校を卒業すると、その町の委嘱で代用教員になった。やがて正教員の資格を取り、学校の評価も良く、生徒からも慕われる存在になった。 22歳の時、望まれてある男性と結婚したが、初めての子が心臓弁膜…

乗り越えたかったのかも

脳溢血で入院中は不思議な感覚だった。 出入り自由って状態だったな。 あっちの世界に。 生と死の境 「影のない光」というものにとても興味がある時期があってね。それがちょうど脳溢血で倒れる前だったんだよ。光って、影があるじゃん。チベット仏教の「死…

人間は死んでもまた生き続ける

仕合わせ人は、一人ではしあわせになれない。お互いに仕え(つかえ)合い、支え合ったときにしあわせという状態が訪れる。「幸せ」とは本来、「仕合わせ」と書く。 自分は善人だと思っている人は救われない「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」親鸞…

家業のパン作り手伝いたい

◆子としての責任 左足を切断してから「幻痛」との闘いが始まった。人は手足を急に失うと今まであった手足の幻覚に見舞われる。ないはずの手や足にかゆみを感じたり、痛みを感じたりするのだ。 先生に訊くと放っておけばいつの間にか消えるというのだが、待ち…

支えてくれた左足切断

◆新たな試練 1979(昭和54)年7月25日。23歳の誕生日。自宅に友人、知人、レストラン従業員を招いて誕生会を開き、みんなの前でゆっくり歩いて見せた。閉店後の秘密の特訓は、コックしか知らなかったので、その時のみんなの呆気にとられた顔は忘れられない。…

天国の父と話す孫うらやましい

娘が2人目の子を身ごもった時、父はすごく喜んで男の子を望んでいた。 娘の出産を楽しみにしていたのに、父はその誕生を見ることなく逝ってしまった。孫が生まれ、しばらくたって不思議なことが起こった。当時、1歳3ヵ月だった上の子が突然、部屋の隅を指差…

マイ・ハシしてますか

夕顔咲くうどん屋で 暮れ残る店先の夕顔を横目にうどん屋に入ったら、八割がた埋まっていた店内の空気がほぐれずに何だかとげとげしていた。訳も分からずテレビの前のカウンターに座り、冷やしたぬきうどんを注文する。店員はこわばった顔に苦笑いを浮べてい…

自国の食文化 大切に継承

◆外国の若者から学ぶ ある日、何となくテレビを見ていたら、イベント会場で、若い女性に料理をしてもらうコーナーが流れ出た。びっくり仰天、あきれて言葉が出なかった。 生のアジの名前を聞かれて「サンマ~?」「イワシ~?」だ。そして、ヒントでアジの開…

幸せ望み 別れ告げる

かなわぬ恋(ベトナム) 雨が菩提樹の葉を打つなか、彼は傘もささずに一人ベンチに座っていた。「男の人にしては細い肩」にバンは近寄って傘を差し出した。「ありがとう。でも、いいよ」。優しい目。どこか寂しげにも見えた。「特別な何かを持った人と思った…

粗衣粗食の日本人 支える

◆梅干しは万能薬 「白地に赤く 日の丸染めて」とくれば「ああ うつくしい 日本の旗は」と続くのが唱歌「日の丸の旗」だが、私はどうしても「ああ おいしいな 日本の弁当は」と歌いたくなってしまう。 街で日の丸を目にすると、私は反射的に四角い弁当箱に詰…

1が並ぶ「レピュニット数」

算数のこころ ?はどうなる? 1×1=1 11×11=121 111×111=12321 1111×1111=1234321 11111×11111= ? 53×11=5▢3=583 76×11=7▢6= ? 1、11、111のように1が並ぶ自然数を「レピュニット数…

心を動かされた辻井さんの一言

盲目のピア二スト辻井さんが国際大会でチャンピオンに輝き、凱旋帰国した。 マスコミからの取材で「夢はかなったと思いますが、ほかに何か、かなえてもらえるなら」の質問に「一度でいいから、一瞬でいいから、母の顔が見たい」と答えていた。 この言葉に感…

足のマッサージが効果的

◆私の健康法 人間は誰でも年を取るもの。体は確かに年とともに衰えていくが、年を取ったら取ったで、謙虚に受け入れた方がいい。齢(よわい)を重ねることは、恥ずべきことではない。若く見られたいという気持ちは分かるが、見た目ではなく、真の健康が一番…

地方独特の山の料理が好き

◆山の食卓 地方の里山を歩くと、私を知っている登山者から「こんな低い山も歩くんですね」と言われることが多いが、私の好きな道は、何といっても山の中の自然道なのだ。そして、その地方独特の山ならではの料理がたまらなく好きだ。 友人に誘われて会津駒ヶ…

一瞬の出会い

昼休みの束の間、パソコンを通してイヤホンから流れるピアノのメロディーを子守唄に、椅子の背もたれに身を預けて瞼を閉じようとした時、視界に人影が入った。 顔を起こすと、白髪で短髪頭の、60過ぎの男の姿が目に入った。 イヤホンを耳から外し、すぐに立…